今回は、ちょっと趣向を変えて、日本語の難しさについて勉強してみました。英語は難しいって、誰に教え込まれたんでしょうか?学校?社会?
私たち日本人は、こんなに難しい言語(日本語)を日常的に使いこなしているんですよ。英語だって簡単に使いこなせていいと思いませんか?

日本語と英語、どっちが難しい?

外交官などの専門職を養成する米国務省(日本で言うところの外務省)の期間外務職員局(FSI)によって取られた、外国語習得難易度ランキングというデータがあるそうです。語学を習得(スピーキングとリーディング)するための必要な時間を基準に難易度を以下のカテゴリーに色分けしたもの。

難易度カテゴリー
カテゴリー1 :★☆☆☆☆ (24週間、600時間)
カテゴリー2 :★★☆☆☆ (30週間、750時間)
カテゴリー3 :★★★☆☆ (36週間、900時間)
カテゴリー4 :★★★★☆ (44週間、1100時間)
カテゴリー4+:★★★★☆+(44週間以上)
カテゴリー5 :★★★★★ (88週間、2200時間)
カテゴリー5+:★★★★★+(88週間以上)
※ランキングはアメリカで作られたため、あくまで英語ネイティブの視点

カテゴリー1~4:★~★★★★
言語的に近い親戚のヨーロッパ言語、その上にはモンゴル・フィンランド・ハンガリーなどの遊牧民族系言語。東南アジアのタイ語とベトナム語がランクイン。

カテゴリー5:★★★★★
アラビア語、中国語、韓国語、朝鮮語。

そして日本語は、
最高難易度カテゴリー5+★★★★★+にランクイン。

このカテゴリーにあるのは、日本語のみで、これ以上のカテゴリーはありません。つまり日本語は、世界一難しい言語と考えられているのです。

日本語と英語、表現の違い?

日本語が難しい理由、漢字、ひらがな、カタカナ

勉強中の外国人にどこが難しいかと聞くと、半数以上が「漢字」と答えるそうです。常用漢字と呼ばれる、一般の社会生活における漢字使用の目安として定められた漢字は2,136文字。我々日本人は、学校でこれを9年かけて覚えます。

漢字だけでも多いですが、さらに音読みと訓読みがありますよね。同じ漢字を使う中国語でも、読みは漢字一つに対し、大体1つ。日本語は音読み、訓読みそれ以外の可能性もあります。これが日本語学習者を悩ませているようです。

例えば、『3月1日は日曜日で祝日、晴れの日でした。』これはある年齢に達している日本人であれば、ほぼ読める文章ですが、海外の日本語学校では超難問。文中の「日」が全て違う読み方になるからです。さらに漢字のほかに、必須語彙集やオノマトペ(擬音語)の多さな方言などの覚えることの多さも挙げられるでしょう。

確かに他の言語でも、単語の種類の多さによるむずかしさはあります。ロシア語なんかは「本の状態」で使用する単語が変わってくるそうです。(本の状態!?開いてるとか、閉じてるとかです。すごいですね。)ドイツ語だと名詞に性別なんかもあったりしますよね。

しかしここまでは暗記で解決する知識の問題。

イントネーション(抑揚)

知人の通訳の方がいうには、海外の人たちに「日本語って歌っているように聞こえるよね」と言われるそうです。そう、イントネーションがあるんです。英語って日本語に比べるとイントネーションがないんですよね。「ダダダダダ」という感じ。

外人さんで日本語話せるけど、イントネーションがおかしい人いますよね。イントネーションを変えられる気配がない人。日本人「水を↑」外国人「水を↓」となるような感じで。
英語は抑揚がなくても通じます。なので、イントネーションという概念を理解できない人が多いみたいなんですよね。

表現の違い

英語はすごくダイレクトな言語で、言い回しというものががほとんどないというのです。例えばお水が欲しいとき、英語だと、
「Give me water」「Water,please」
「could you give me some water?] 「May I have some water?」
まぁ、あとは単語が異なるだけで同じような表現だと思います。

日本語だと、
「水くれる?」
「お水くれる?」
「お水をくれる?」
「お水くれます?」
「お水くれますか?」
「お水をくれますか?」
「お水貰えますか?」
「お水を貰えますか?」
「お水頂けますか?」
「お水を頂けますか?」
「お水頂いてもいいですか?」
・・・まだありますよね。ちょっとずつ、ニュアンスが異なるのがお分かり頂けると思います。水に「お」をつけるかつけないかだけでも。「を」を入れるか入れないかだけでも。一文字変えるだけでこの多様性が生まれます。メールの文章考えていると、一文字助詞を変えるだけでずいぶん印象変わってしまうなんてことを経験された方も多いはず。日本語恐るべし。

他の言語はというと、言い方を変えることはできるけど、そういった細かい心情表現自体がないんですね。以下の動画から引用。この方はテンポがよく面白いからおすすめ。40分と長いのでお時間あるときにぜひ。

「水飲みたい、とかなんとかいっちゃったりなんかして」で、厳格そうな人がユーモアがある人だってことを表現できたり。日本語は顔色を変えなくてもそれを伝えられる。日本語ほどこんなバリエーションがある言語を僕は知らない。

日本語は、「どの言葉を選んで使うかで自分の性格が出る」言語です。面白い人だな、とか、どんなふうに物事を考えているかがとてもよく出てしまうのです。文章一つ言うにしても、たくさん言い方がありますし、会話中と、目上の人はさらに違う、などいちいち細かい違いががありますよね。

日本語を長く勉強している人でも、その辺の細かいところまでカバーすることができないほどの多様性があります。だから難しいんですね。

日本語と英語、文化の違い?

さらに、それらとは別の難しさが日本語にはあります。それは、日本の「謙虚さ」「空気を読む(和を重んじる)」「相手を立てる」「自分より相手を優先する」文化。

日本語は言語だけじゃない、(話すことだけじゃない)んですね。

日本語とは、日本の文化を知らずして話すことができない言語。ただ通じ合いたいのであればできるけど、日本文化を知ることなしに「マスターする」ことはできない。
日本は「謙虚さ」を大切にする文化。空気を読むとか。そういうところ。言いたいことがあっても、まわりまわって伝える。実はよく思ってないことでも、楽しんでいるふりをする。OKと思っていなくても、相手を傷つけないためにまわりまわって伝える自分のことよりも相手のことを考える文化。
ほぼ日本以外の国は、「俺、自分」のメンタリティを優先させる。「気に入らないことがあれば、面と向かって言うね。そうじゃないと相手に伝わらないじゃないか。」そりゃそうだ。一番近道ではある。しかしそれは「空気を読む」能力が備わっていない。
そしてそれ(直接的な表現)を相手に期待する。そういう人は日本語を勉強したとしても、理解するのに時間がかかるか、そもそもできない。「なぜ言いたいことを素直に言わないんだ?」そんなにシンプルじゃないし、自分の国と同じものをまず期待していることがおかしい。

そういう真逆の考え方だったりする。ので、その根本を覆す考え方って難しいじゃない?じゃあ日本人に、西洋的に言いたいことをズバッと言えと言われると心痛むから難しいじゃない?という風に、根本を覆すのは難しい。文化を理解しないと話せない言語、日本語、だと思っている。

ノリツッコミも存在しない。

「水が飲みたいずら」とか言ったら、「いつの時代だよ!」「水が飲みたい、的な?」「ホストかよ!」というボケと突っ込みも、他の国だとほぼない。「なんでやねん!」って突っ込んだら、「いてーよ」って言われて。あ、そういえばないよな。って。ツッコミはないわ、アメリカ。って。ユーモアのセンスも全然違う。日本のお笑いはレベルが違う。日本人ですら理解できないレベルの笑い。自分をディスるお笑いはない。他の人を馬鹿にして笑いをする。日本人は自虐して笑う。西洋の人が聞くと日本人は自分に自信がないのか?て聞くけど、ちゃんと文化を理解してほしい。自虐させることによって相手をリラックスさせるという方法。そういうのも厳密にいうと勉強しないといけない。

だから、外国の人が日本語を使いこなすのは難しいんですね。。。

見えないものを見る文化,「KY」「空気を読め」に代表される、見えないものすら含める文化。そしてその多彩さを含めて表現することができる日本語。ほんとうに日本語の表現は豊富。どんな細かいニュアンスも、繊細に含んでくれるキャパシティがあります。なんだか自国語が誇らしくなりました。

短いバージョンもありました。動画中で、日本語は、「感じる言語」である、と言われているのですが、うまい表現ですね、本当にその通り。

まとめ

日本語のむずかしさについて、まとめました。

  • 米国務省の調査で日本語は難易度No.1
  • 日本語の難しさとは…
    -漢字の読みの多さ
    -抑揚の概念
    -表現の自由度(人間性が表れる)
    -日本の文化(謙虚さ、自分より相手を思いやる)
  • 日本語は、感じる言語である。

 

これらを考えると、日本語と同じように考えているから難しそうに思えるのであって、実は思っている以上に、英語ってシンプルなんではないでしょうか??外国人が日本語を学ぶむずかしさに比べたら、日本人が英語を学ぶのは簡単かもしれないですよ…!?

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